2015年11月21日土曜日

コロジオン制作の基本工程


以下は危険な薬品を含むコロジオン調合の工程です。
事故などによるいかなる健康被害も当方は責任を負いかねるため、基本的な取り扱い知識を有する方のみ、自己責任で行ってください。
ベースはオスターマン氏の処方と同一ですが一部独自のアレンジが加わっております。
作成量は500mlです。

まずジエチルエーテル155mlに対し5%コロジオンを236ml加え混合します。

   
綿状のモヤが現れますので、完全に溶解するまで混ぜます。
完全に溶解したら、ボトルの栓をしたまま40度前後のぬるま湯で軽く湯銭します。
この後に混ぜる臭化物を混ぜやすくするためにコロジオンの液温を上げます。
残った薬品の原液は冷暗所に厳重に保管します。
続いて臭化カドミウム3gを4mlの精製水に溶解します。
人体に大変有害ですので必ずマスクを着用してください。命に関わります。
精製水に当たると粉末がブドウ糖のように固まりますので、ガラス棒で砕きながら溶かします。
少し多めの水を入れてビーカーを温めながら溶かすと、比較的速やかに溶けます。
全て溶け切った後は余分な水分を飛ばし、飽和水溶液を作ります。
水分を飛ばしすぎると溶け切らない分が粉を吹き始めるので、その一歩手前が望ましいでしょう。

飽和水溶液が出来上がったら、これを湯煎したボトルに加えます。
液温が低いと混合に時間がかかり、溶液間の温度差が大きいと沈殿物が出ますので、注意が必要です。
コロジオンが適度に温まっていれば速やかに混ざります。
次に95%エタノール155mlにヨウ化カリウム4gを混合します。
エタノールは無水ではないこの水色のボトルのものかスピリタスを用います。
無水エタノールは濃度を上げるための混ぜ物が含まれるため、画質に悪影響が出ます。
カドミウムと同様、ヨウ化カリウムも飽和水溶液を作ります。
エタノールは湯煎し事前に液温を上げておきます。
飽和水溶液をエタノールに混合したら、最後にコロジオン・カドミウム溶液と、カリウム・エタノール溶液を混ぜます。
混ぜると同時に液が白濁しますので、40度前後に湯煎しながらしばらくボトルを振ったり、ボトルの栓を空けて空気の入れ替えを行ったりなどを数回繰り返します。二つの溶液を混ぜる際、温度が低かったり、溶液間の温度差が大きいと大きな濁りが出て、使用できるまでに多くの時間が掛かります。逆に温度差が少ない場合はより僅かな濁りで混和され、短期間で使用可能な状態となります。両液を40度前後に温めてから混ぜ合わせれば間違いないでしょう。
また、ボトル一杯に作りすぎるとボトル内に空気がないため酸化が進まず濁りが取れにくい場合があります。アズワンのアイボトルなど、少し余裕のある容器で空気を適度に循環させることで酸化が進み、濁りが取れやすくなります。
通常であれば遅くとも2日後には透き通ったレモンイエローの溶液が出来ており、湿板撮影に使える状態になっているはずです。





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